「子どもとのふれあいを大切に、幼児教育分野で輝く」
地域福祉学科４期 安田成希さん
池田山の地に建つ静岡英和女学院短期大学が、静岡英和学院大学となり21年目の春を迎えました。
4期生として地域福祉学科を卒業した安田成希さんに、学生時代を振り返り 当時の思いを語っていただきました。
現在は「静岡英和学院大学および静岡英和学院大学短期大学部同窓会」初の四年生大学卒、そして第6代同窓会長として大学との繋がりを強め、同窓会のために尽力しています。 またご自身は静岡市内で夜間保育園を運営し、静岡英和学院大学で取得した資格を活かして活躍されています。
Q.保育士の資格を取得しようと思ったのは、いつ頃、どんな理由からですか?
私が6歳の時、心臓に重い病を持っていた弟が、わずか1歳1か月の命を閉じました。 長期間入院していたので、弟と過ごした記憶は僅かなものです。一緒に遊ぶことも、抱きしめることも叶わなかった訳ですが、まだ幼く未熟な私は両親の苦労も知らず、わがままばかり言って困らせていました。人間の死を理解したのはその数年先です。それと同時期に「保母/保父」(当時) の仕事を知りました。 弟と同じ歳頃の子どもたちをお預かりして、ふれあいを深めるという行いが、何もできなかった弟に対する自分なりの供養になるのではないか、と感じ中学卒業後、保育士資格取得を目指し迷わず福祉科のある高校へ、さらに福祉科のある大学への進学を決めました。
Q.高校生の時、自分の就く職業について、どのように考えていましたか?
前項で述べた通り保育士になりたいと思ったきっかけは弟の死だったので、自分が就職する保育園は一般的な認可園よりも、院内保育所や病児保育所を希望していました。一方、自分が育ってきた環境を振り返ると、両親が飲食店を経営していた関係で、幼い頃“夜間保育園”に通っていたことを思い出しました。そこには当時としては珍しい男性保育士(当時は保父)が在籍しており、夕方から朝方にかけて両親と離れる寂しさを忘れるほど、毎回楽しく過ごしていました。父親的役割/母親的役割を担っていてくれたから、 寂しさを感じることなく過ごせたのではないかと振り返ると思います。そこは三島市のマリア保育園で、食前のお祈り・讃美歌・クリスマス会などどれも楽しく、もしかしたら静岡英和学院大学に入学する道は、この時にもうできていたのかもしれませんね。
Q.保育士の資格取得には専門学校への進学もあったと思いますが、なぜ静岡英和学院 大学に決めたのですか?
県外の大学への推薦も決まっていましたが、静岡という土地に愛着を持っていたので、県内で保育士資格が取得できる大学選びをしました。池田山の坂道を上り、振り返れば 眼下に広がる緑の街並み。どれも眩しく感じたことを覚えています。オープンキャンパス 1日目で願書提出を決めました。
Q.大学生活で楽しかったことは何ですか? また現在にも繋がっていますか?
サークル活動ですね。「コンソメWパンチ」という音楽ボランティアサークルを立ち上げ、県内の保育園・幼稚園・各種福祉施設を訪問し、リトミックを取り入れたコンサートを 開催しました。同じ志を持つ仲間と目標を共有し、4年間精一杯取り組めたことは今にも 続く私の財産です。社会人になった今もこの活動は続けています。
Q.これからやりたいこと、将来をお聞かせください。
夜間保育園を利用される方と、日中の保育園を利用される方とで、保育環境や保育料に若干の格差が生じています。夜間保育を利用するご家庭は特別な背景を抱えている方が 多く、保育園と子どもたちの命を預かる立場としては、その格差を埋めることができるよう多様な取り組みを続けていくことが必要です。この街で子育て支援に取り組む多くの 世帯をサポートしていきたいと思います。
また、私の取り組んできた活動や、夜間保育園勤務を通して得た「気づき」や「経験」が 誰かのお役に立てるのなら、惜しみなく情報を提供したいと思っています。これから保育・ 福祉関連職にお勤めを検討されている方や、経営を考えている方、夜間保育園を利用した い方がいらっしゃいましたらお声掛けください。
Q.これから静岡英和学院大学へ進学される方に、先輩からのアドバイスをお願いします。
個人的な意見ですが、静岡英和学院大学の特色のひとつに「コミュニケーションの取りやすい環境」があると思います。学生対学生、学生対教員、学生対各種センター(※)です。 相互の距離が近いということは勉学・キャリアアップ、ひいては就職活動にも非常に有利に働くことは間違いないですね。 ご自身の個性を発揮しコミュニケーション能力を存分に磨いていただきたいと思います。 静岡英和学院大学そして短期大学部が、あなたの個性を肯定してくれる大学であるということを、卒業生を代表して私が保証します。
※宗教センター・留学生センター・ボランティアセンター・キャリア支援課
Q.同窓生のみなさんにも一言、お願いします。
私のことを同窓会のHPで紹介してくださって光栄に思います。がむしゃらに4年間、走り抜けただけというのが本当のところです。 私の同級生は現在、仕事や子育てに追われ、懸命かつとても素敵な生活を送っていることと思います。各種SNSが発達した今、いつでも連絡を取れる手段があるが故に、普段から疎遠になりがちな状況も多く、旧友と母校を懐かしむ機会が減っている気がします。いつかきっと、みんなで集まり思い出話に満開の花を咲かせる日が来るのを心待ちにしています。きっとまた会えるその日まで。
(2023年4月取材)
2019年 静岡市に夜間保育施設「おにぎり保育園」を開園し園長を務めている
○趣味はピアノを弾くこと、レスリング(競技者)
○3児の父親でもある
