静岡英和女学院のセーラー服は 100年を迎えます

1887年(明治20年)創立。
今年、静岡英和女学院は135周年。
その象徴ともいえるセーラー服は、
1922年(大正11年)に全国に先駆けて
制定されました。

誇り高いセーラー服に袖を通し
15,000人を超える同窓生、
そして英和を支え見守ってくださった
すべての方々に敬意を表し、
セーラー服の歴史を紐解いてみましょう。

静岡英和女学院の
制服物語

英和のセーラー服と言えば、
毎年衣替えのシーズンには新聞紙上を飾り、
静岡の夏の訪れを告げる風物詩となっています。

伝統あるセーラー服が
制定100周年を迎えるにあたり、
歴史を紐解きながら、
しばし時空を飛び越えてみたいと思います。

日本で最初!
制服としてのセーラー服

1922年(大正11年)CGIT(Canadian Girls in Training)式の夏のセーラー服制定。
白い上着に紺色の襞スカート、二本のタイは友情を示して胸前で結ばれます。
夏の制服としてセーラー服を採用したのは静岡英和女学院が国内初とされています。

三本の白線は父・子・聖霊の「三位一体」を現しています。
革新的な夏のセーラー服が静岡の街に引き起こした衝撃は
いかばかりであったことでしょう。

白いカラーとカフス、
燕脂の絹のリボンが
憧れの的

翌1923年、ネイビーブルーの冬服が制定されました。
スクールカラーである臙脂のリボンは「キリストの血潮」の象徴として胸に結ばれています。
白いカラーとカフスは三位一体の三本線を汚さないためにかけられ、着ける者の品格を表しています。

今日に至るまで100年間、清楚で凛とした佇まいは多くの英和生によって紡がれてきました。

静岡英和女学院の制服物語

ミス・リンゼー
(第10代校長)

Miss. Olivia Cathaleen Lindsayは1882年カナダ・オンタリオ州生まれ。1912年に本校に着任。来日当初より日本語習得に熱心で書き残したノートには漢字も仮名もみごとに記されています。セーラー服への転換を図ったリンゼー校長の優れた才能はこれだけに留まらず、多くの教育上の改革や試みがなされ、修学旅行開始や後の昭和元年校舎建設への始動など、その意欲と情熱は豊かで古き良き英和の黄金期をもたらしました。

腕章誕生の秘話

英和のセーラー服の特徴のひとつに腕章があります。
左の腕章は本来、水兵のリーダーを示すものですが、「富士と桜」がデザインされています。
戦争によって敵国の名が入った「英和」の校名が使えなくなり、1941年(昭和16年)に「静陵高等女学校」に校名変更を余儀なくされた時、その頃の校章「紺の丸十字に白い富士、えんじの楓」にも「英和」の文字が入っていたためバッジが使えず、それに代わって誕生しました。現在は姉妹校である東洋英和、山梨英和と共通のデザインで、中に描かれているアルファベット違いの校章ですが、丸十字の旧校章はいまでも体育館内の西側の壁に残されています。

制服に寄せる思い

母の会委員会委員長
石橋綾子(写真右)

母、娘、孫
三代で袖を通した喜び

「英和のかわいい制服を着たい!ばぁばとお母さんが着た制服をきたい!」と言った娘。特に勧めたわけではないけれど、私が子どもの頃に思ったことと同じように思ってくれていたことがうれしかったです。「かっこよくて自慢の制服」と誇らしげに話していた母の笑顔、カラーの糊付けはどこが硬すぎず痛くないかとクリーニング周りをした友達との時間、毎日制服にアイロンを掛け送り出すひととき。制服には、たくさんの思い出が詰まっています。 
真っ白なカラーに落ち着いたエンジ色でバランスのとれたサイズのリボンの冬服、白く爽やかな夏服。どちらも100年前にデザインされたようには思えないほど、おしゃれでかわいい英和のセーラー服は、私達にとって思い出がたくさん詰まった宝ものです。

母:69期 影山芙美代
娘:98期 石橋綾子
1990年3月卒業
孫:131期 石橋和佳奈
高校3年在学中
同窓会長 森田拓子
昭和56年3月卒業 89期生

セーラー服姿の英和生を見るたびに、楽しく希望に満ち溢れていた青春を思い出します。そして英和で教えられた「愛と奉仕」の四文字が、私の人生に多くの彩りを添えてくれたことに感謝が溢れます。多くの同窓生、先生方、英和に関わった全ての人々の想いの詰まったこのセーラー服が、英和生の誇りとして笑顔とともにいつまでも続くことを祈ります。

セーラー服姿の英和生を見るたびに、楽しく希望に満ち溢れていた青春を思い出します。そして英和で教えられた「愛と奉仕」の四文字が、私の人生に多くの彩りを添えてくれたことに感謝が溢れます。多くの同窓生、先生方、英和に関わった全ての人々の想いの詰まったこのセーラー服が、英和生の誇りとして笑顔とともにいつまでも続くことを祈ります。

同窓会長 森田拓子
昭和56年3月卒業 89期生
PTA会長 亀山 淳
次女 132期 亀山 茜

私には二人の娘がおり、長女は英和を卒業、次女は今、英和の5年生(高2)です。よって、娘が中1で入学してから、英和の制服と共に成長する娘たちの姿を見て参りました。
私は、英和の制服は、生徒たちを育てる制服だと思います。中1から高3までの子供たちが一番成長する時期に、一番長い時間身につけているのがこの伝統ある制服です。英和の制服を着ている姿を周りの人からも見られ、生徒自らがそれを意識して、プライドを持って生活しているうちに、優しく、礼儀正しく、楽しく、隣人愛も育てられているのだと思います。

静岡英和女学院は「愛と奉仕」を建学の精神とし、駿府城公園のほとり、西草深の地に一粒の種がまかれて135年。
「祈りと奉仕と友情」を象徴する制服姿の生徒が歌う讃美歌の調べが、100年前と変わることなく、今日も礼拝堂の美しい塔とアーチ窓からキリスト教文化の香りを街に届けています。